
─ 「海王の神殿」のシステムは、Wi-Fiバトルにも生かされてますよね。
青沼 Wi-Fiバトルも面白いですよー! ファントムの緊張感がたまらないんです。
─ Wi-Fiバトルは、『砂時計』をクリアしてから遊ぶと…。
青沼 (うれしそうに)そうなんです! Wi-Fiやってから「海王の神殿」に行くと、ファントムが怖くなくなっちゃうんですよ。
岩本 やっぱり、Wi-Fiバトルの生身の人間を相手にするほうが怖いんですよね。
─ 最初からWi-Fiでやることは決まっていたんですか?
青沼 ええ。『ゼルダ』に対して、とくに海外ではオンラインプレイを求める声は、昔から強いんです。でも、『ゼルダ』をよくあるバトルゲームのようにして、Wi-Fi使って見えない相手と切り合ったりするのは、何か違うよね、という話もあって。
─ そうすると殺伐としたゲームになりますよね。
青沼 それで、今回はゲーム中にある「海王の神殿」のシステムを、Wi-Fiバトルに落とし込むことにしたわけです。ファントムをタッチペンでラインを書いて操作したり、リンクがトライフォースを陣地に運ぶというシンプルな遊びは、鬼ごっこやかくれんぼの遊びに通ずるものがあるわけですね。
─ どのようないきさつでWi-Fiバトルが生まれたんですか?
青沼 任天堂は、学生を集めてゲームセミナー(※解説3)というのをやってるでしょう。実は僕、おととしくらいにこのセミナーの講師をやってまして、そのときに企画書の見本として考えたアイデアが元になっているんです。ボードゲームに「スコットランドヤード」というのがあって、警察が怪盗の居場所を推理しながら遊ぶ、鬼ごっこのようなゲームで、それと似た感じで、「音」を手がかりに敵の位置を推理するという遊びはどうかと考えていたものがあって、最終的には原型をとどめていないですけど、それが元になってるんです。
─ そうだったんですね。
青沼 それで、そのときの企画では、逃げる側と追う側をそれぞれターン制に切り替えて遊ぶものにするつもりだったんです。でも、その企画書を見た宮本から「テレビゲームはリアルタイムにいろんな変化が起こるのが面白いのに、それをターン制にするなんて全然ダメ。だから青沼はシロートって言われるんや」って言われてしまって。僕は素直に「はいっ」って答えるしかなかったんですけど…。でも、そのような赤裸々なシーンもVTRに撮って、生徒に見せながら、(頭をかきながら)「こんなん言われちゃいましたー」って(笑)。
─ 教材にしちゃったわけですね(笑)。
青沼 その企画はセミナー用だったんですけど、いつかものにしたいなあと思っていたんです。それで今回の『ゼルダ』でWi-Fiを採用することになって、「昔、こんなん考えたんだけど、使えない?」ってスタッフに話をしたら、それを基にゲームを作ってくれたんですね。
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