『ふしぎの砂時計』でも『××の海図でもなく』
─ 海の島々に住む人たちは、それぞれ個性があっていいですね。デザインもセリフも、なんというか若い感性で生み出された感じです。
青沼 スタッフは若手が中心で、メインのデザイナーをはじめ、女性スタッフも多いですからね。テキストは…(岩本さん、藤林さんを指して)この人たちなんで、若くはないんですが(笑)。
岩本 テキストは4人のプランナーで手分けして書いたんです。だから、島によってその担当プランナーの個性が出ているんですね。
藤林 最終的にはあまりバラバラにならないようにまとめたんですが、僕が読んだときに「ああ、このセリフは僕には絶対書けないな」と思えるものを残したんです。そこが島の個性として現れているんでしょうね。
─ 冒険の最初の島であるメルカ島に、名前の由来ってあるんですか?
岩本 メルカトル図法っていう、地図の図法名からとっているんですよ。モルデ島というのはモルワイデ図法からですね。
藤林 その辺は、なかなか気がついてもらえないみたいですね。実は当初、サブタイトル案のひとつに『××の地図』っていうのがあったんです。
─ なるほど、その名残で図法名のもじりなんですね。そういえばサブタイトルは『ふしぎの砂時計』(※解説4)にはならなかったんですね。
藤林 それも候補のひとつだったんですけどね。
青沼 今回の冒険には、何度も訪れることになる「海王の神殿」というダンジョンがあります。そこで何度も出会う重要な敵がいるんですけど、この敵は倒すことができないんでファントム(幻)って名付けたんですね。それと、冒険のキーアイテムである砂時計。この2つを英語でつなげると「Phantom Hourglass」。この名前でGDCで発表したんですけど、『夢幻の砂時計』はそれを和訳したものですね。
藤林 米国のスタッフが「Hourglass(砂時計)」を気に入って、絶対これをタイトルに入れてくれって。
青沼 時間制限のある海王の神殿では、冒険を進めると与えられた時間が少しずつ延びるんですね。そういう遊びの仕組みは考えてあったんですが、そこにどういうイメージのアイテムをはめこめばいいのかは、ずいぶん終盤までいろいろ考えました。


シエラの解説4
『ふしぎの砂時計』=GBカラーとアドバンスで出た『ゼルダ』シリーズには、『ふしぎの木の実』(01年)、『ふしぎのぼうし』(04年)というサブタイトルがつくことがあったの。でも今回はDSだしね

↑対戦ゲームにも登場するファントム。こいつに会ったら逃げろ、逃げろ
船のカスタマイズやミニゲームにも注目
─ 数々の新しいチャレンジが行われる一方で、今回はハートのかけらがなくなりましたが、その理由は?
岩本 ハートのかけらをたくさん配置すると、ありがたみがなくなることもあると考えたからです。それよりは何か難しいことにチャレンジして、クリアできたご褒美にハートの器をもらえたほうがうれしくないですか。
─ 確かにそうですね。
岩本 だから、今回はビン集めもないですし、サイフの成長(※解説5)もありません。最初からルピーをどんどんためられるんですよ。その代わり、とんでもなく高いものも売ってますけど(笑)。そういった集め遊びのようなものでは、船のパーツ集めに注目して欲しいですね。
─ 集め遊びといえば、おなじみのわらしべイベントは?
青沼 ありますよ! でもね、ものすごくひねりが入っていて…、ひねりすぎていてわかんないかも(笑)。みんな気がついてくれるかなあ。
岩本 ハートのかけらのようになくしたものもありますけど、遊べる要素はとにかくたくさん入っていますよ。ミニゲームも新しい感覚のものばかりですし。
─ ミニゲームでサルバトーレが再登場してうれしかったです。
青沼 あれねえ…、最初に僕が見たときはダメダメでした。
─ どんなゲームだったんですか?
青沼 いや、ミニゲームの説明がね、例のアレをかぶって『タクト』と同じことをやっていたんですよ。
─ 演出面でダメダメだったわけですね(笑)。
青沼 開発終盤で時間もなかったんですけど、これは絶対直してって、絵コンテ描いて渡して。
藤林 ミニゲームの説明に絵コンテが存在するなんて(笑)。
─ 今回もサルバトーレの説明には笑わせてもらいました。『ゼルダ』って、根本のストーリーはシリアスなのに、笑える場所がたくさんありますよね。
青沼 それはスタッフのキャラクターたちに対する愛情のたまものなんですよ。「そこで笑いをとるか!?」みたいな場面があるので楽しみにしていてください。
─ 今回は、DSの機能をフルに生かした謎解きなんかの話も聞きたかったんですけど、やっぱり発売直前ですしね。
青沼 そのへんの話は、次号でたっぷりしましょう! というか、僕ばっかりしゃべりすぎですか?(笑)

 インタビューはまだまだ続きます! ★今月のZ注目後編をお楽しみください。
↑『風のタクト』に登場したサルバトーレ。演出がホントに最高でした

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