次元ワザで生まれたメリット
─ 今作の最大の特徴はやっぱり「次元ワザ」ですよね。2Dの画面で見たときは、ブロックの上にあるはずのアイテムが、3Dで見ると別のところにあったりして…。目の錯覚をうまく生かしてますよね。
川出 2Dと3Dが使えるので、社内では「なんかいいアイデアはないか」ってずっと考えていたんですけど、ネタに関してはスムーズに出てきた感じでしたね。
─ 普通、横スクロールのゲームを遊ぶとき、進む先がどんな地形なのかわからないことが多いんですけど、「次元ワザ」を使うと先が見通せるのもいいですよね。
上田 結果論なんですけど、縦長のおかげで、マップの先のほうが見られるようになったのはよかったです。
田邊 このソフトを作るにあたって、宮本から「あまりアクション色を強めないように」という指示があったんです。アクションが苦手な人でも楽しめるようにしようと。2Dのゲームだと敵が前からやってくると、それをよけるためにジャンプしないといけないですよね。でも、今回はクルッと3Dにすれば、敵はペラペラになるので、タッタッタと先に進めるわけです。だから、アクションが苦手な人でも「どんどん先に進めるやん」って感じで大丈夫ですし、アクションを楽しみたい人は、そのまま2Dで遊んでもらえばいいわけです。
─ 3Dにすると「こんなに楽でいいの?」みたいなところもありますよね(笑)。
上田 それで「次元ワザゲージ」を表示するようにして、3Dで活動できるタイマー制限を設けるようにしたんですね。
田邊 タイマー制限がなければ、ホンマに3Dでどんどん進まれてしまいますからね。
ペラペラな敵
↑手ごわそうな敵も3Dにすれば、ペラペラに
線画のマリオには1Dの意味が
─ 巨大化するとき、線画からドットマリオに変化するグラフィックがいい感じですよね。
上田 わたしは『ペーパーマリオRPG』からかかわっているんですけど、グラフィックに関して言うと、いつもハードの制限を超えたことをイズさん(注2)はやってくるので、いつも楽しみにしています。
─ ユーザーさんのようなコメントですね(笑)。
上田 いや、ホントに楽しいんです(笑)。キューブではこんなことができるんだWiiではこんなことができるんだって、立場を超えて楽しませてもらってます。
─ 線画からドットマリオに変化するデザインは、何を意味しているんですか?
川出 今作のメインは「次元ワザ」ですので、グラフィックでも0次元から1次元、2次元、3次元になる次元の変化を見せたかったんです。
─ ああなるほど! 最初は白い画面なのは0次元だからなんですね。
川出 そうです。
─ それでハザマタウンのエレベーターなんかも、1次元の線画で表現してるわけですね。ただ、ちょっとネガティブな印象を言うと、ハザマタウンがちょっとわかりにくいですよね。
川出 はい、それは確かにありますね。テストプレイをしたマリオクラブからもそんな意見が出て、だいぶ直したんですけど、やっぱり限界がありまして。
上田 あそこは「次元のハザマ」という設定ですので、混沌とした世界という感じを出そうとしたわけですけど、やっぱりわかりにくくなってしまいましたね。
─ でも、あそこには占い屋さんがいて、とてもわかりやすいアドバイスを受けられますね。
上田 わかりやすいというより、ダイレクトな答えですね(笑)。
川出 お金を払って聞くわけですから、わかりにくいヒントだったら、ユーザーさんも怒るでしょう(笑)。
注1:イズさん
インテリジェントシステムズの略称。本社はインタビューが行われた京都リサーチセンター内にあり、社員数は約100名。設立は86年だから、20周年を迎えたばかりなのだ
1次元のマリオ
↑0次元から1次元、2次元へと変化していくドットマリオを見るだけでも楽しい
マリオの限界に挑戦するタイトル?
─ 実際に遊んで感じたんですけど、キャラクターのセリフがぶっ飛んでるなあって。ねえ、田邊さん(笑)。
田邊 (マジメな表情で)今回やったのはイズさんですよ。
一同 (笑)
─ でも、セリフの中に『もぎたてチンクル』(06年)を作った田邊さんのにおいがプンプンしますよ(笑)。
川出 確かに田邊さんからいろいろ教わって作りました(笑)。
田邊 『エキサイトトラック』のインタビューのときもお話しましたけど、近年のわたしの制作テーマは、いわゆる「バカゲー」です。でも今回、セリフに関しては全く口を挟まへんかったと思いますよ。
川出 でも、田邊さんに開発途中のゲームを見せるたびに、「もっとバカっぽくしてください」って言われてました(笑)。
上田 ストーリーがどうのこうのというよりも(笑)。
田邊 例えばキャラクターのセリフが、「YES」と答える場面だとしても、「はい」って答えるだけじゃあ面白くないでしょう。
─ 本当に田邊さんが書き直すようなことはなかったんですか?
田邊 今回はなかったです。
川出 僕らとしてもこれくらいバカっぽくしておけば、田邊さんもOKかなって。
上田 どちらかというと、今回はイズさんの暴走を止めるくらいの感じだったんですよ(笑)。
川出 ステージ3のところでは、上田さんから「川出さん、これはどこまで本気なんですか?」って聞かれたくらいですから。もちろん「全部本気です」って答えましたけど(笑)。
上田 あれでも抑えたほうなんです。
─ 抑えてアレですか?(笑) それにしても、『スーパーペーパーマリオ』で、あんなにぶっ飛んだセリフが読めるなんて、誰も想像できないと思うんですよね。
田邊 やっぱりマリオのゲームは宮本なんです。原作者として、正統な系譜があるわけです。その正統な系譜の守るべきところは守りつつ、新しいこと、違うこともやってみたいなと。
─ マリオを使いながらも、どこまで許されるんだろうと挑戦しているようなところがあるわけですね。
川出 それはありますね。
上田 だから、川出さんたちから、「ここまでだったらOKちゃう?」って感じで大胆に攻めてこられるので、監修する僕らは大変なんです(笑)。
カメレゴン
↑ステージ3に登場するおたくっぽいカメレゴン。必見です!

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