
─ 話を進めていくと、人物相関図がどんどん埋まっていくのが楽しいですね。
成広 ずっと『FE』の開発にかかわってきた僕自身でさえ、誰が誰だかわからなくなっていくんです(笑)。
一同 (笑)
成広 シミュレーション好きな人にとっては、キャラクターには関心がなかったりすることもありますよね。僕自身、とても偏ったプレイをすることもあって、好きなキャラはとことん使うんですけど、「そんなキャラ、いたっけ?」みたいなこともあるんですね。仲間にはしてるんですけど、後で見たとき「どこで会ったのかなあ」ということもあるんです。まあ、たまにですけど(笑)。それに最近は少なくなったんですけど、開発の途中で、キャラクターの設定や名前が変わることも多かったんです。だから、最後に「このキャラ、どうしたんだっけ?」っていうことも少なくなかったんです。そういうこともあって、キャラクターの出身とかが見られるようになるといいかなということで、人物相関図を入れることにしたんですね。
俵 成広さんでさえそうなわけですからね(笑)。なので、ライトなユーザーさんならもっとわからないわけで、その意味でも人物相関図を入れたのはよかったと思いますね。
─ 進化した部分では、3Dになったマップに段差が出来ましたよね。あれって、上にいるのと下にいるのとでは命中率が変わってくるんですか?
成広 上にいたほうが有利なんです。
山上 城を守ろうとするときは、新しい遊び方ができます。あまり強くないキャラクターでも、飛び道具を持たせていれば、上の段に配置するんです。下にいる敵の攻撃は当たりませんから、「壁役」として使えるんですね。最初見たとき、下にわらわら敵が集まってきて、そんな人数の敵とどうやって戦うんだろうと思ったんですけど(笑)。でも、段差を生かすと、飛び道具でどんどん敵を倒すことができるんですね。
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↑とても便利な人物相関図。キャラの名や関連性をなかなか覚えられないキミも、これでバッチリ!
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─ あと、今作のキャラクターはスムーズに動きますよね。前作ではカクッカクッって動いてましたけど。
山上 あれ、ビックリするでしょう?(笑) 僕も最初に見たときは「ヌルッといきますねえ」と感心したくらいですから。
成広 ユーザーさんに気づいてもらえるかわからないところも含めて、細かなところまでこだわって作りましたね。その意味では、『蒼炎』で出来なかった課題が残っていて、今作ではかなりクリアできたんではないかなと思っています。
─ 『蒼炎』のインタビューのときは、「70パーセントの出来」とおっしゃってましたよね。
成広 そんなこと言ってましたっけ(笑)。
一同 (笑)
山上 『蒼炎』の開発が終わったとき、成広さんは「悔いが残る」とおっしゃってたんですよ。やっぱり本格的な3Dで作ったのは初めてのことだったので、「もっとやりたかったのに」という不完全燃焼の部分も多かったわけですね。でも、Wii版の開発が始まるときには、その反省があったからこそ、「今度はうまくやれる」という自信にもつながったわけですね。
山上 今作でも確実に進化してますし、ずっと作っていきたいタイトルでもありますよね。
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─ それでは最後に、皆さんそれぞれの『FE』の魅力についてお話いただきたいのですが。
俵 さきほど山上が言ったように、このシリーズは単なる記号のゲームやシミュレーションではないわけです。人間臭さがとてもよく表現されていて、ゲームとストーリーがうまく融合しているところが魅力だと思います。しかも、普通に遊んでいて味方が死んでしまうと、ほかのRPGのように生き返らせることもできませんので、「ああ、オレが殺してしまった。悪いことをしてしまったなあ」と、反省してしまうようなところもあって…。そのように、プレイしていて心が動かされるところが、シリーズの面白さではないかなと思っています。
樋口 『FE』では、すごくレスポンスのいい駒遊びということを、これまでずっと培ってきたところが、開発にかかわってきたスタッフ全員の根っこにある部分なんです。わたしはグラフィックを担当していますけど、レスポンスの良さを最優先にしているために、グラフィックを泣く泣く犠牲にすることもあったわけです。でも、それはレスポンスを第一に考えてるからで、そこが『FE』の大本の魅力だと思っています。
前田 このソフトは、自分の好きなキャラクターに愛情を込めて育てることができるのが、大きな魅力だと思っています。最初は弱くても、大切に育てていけばしっかり戦えるようになりますし、愛情をかけただけ、それが反映されて喜びにつながっていくようなところがあるんですね。
成広 『FE』はスローフードのようなものだと思ってるんです。例えばアクションゲームが苦手な人もいると思うんですけど、そんな人にも『FE』はゆっくり、じっくり考えて遊べる「スローゲーム」なんですね。お話も含めて、ゲームと語り合いながら、ゆっくり遊べるのが魅力だと思います。それと、僕らはガンダム世代だったりするので、敵の正義も含めて、世の中ってそんなに単純なものじゃないんだよ、ということは普遍的なテーマで、キモの部分でもありますし、いまだに飽きずに遊べるのもそんな世界観があるからだと思っています。
山上 このソフトって、1人で遊んでいるのに、連帯感が感じられるところがあるんです。そんな気持が味わえるゲームって、そんなに多くないと思うんです。なぜそんな気持になるかというと、そこにいるキャラクターたち全員が自分の仲間だと感じられるからなんですよ。で、より多くの仲間と一緒に目的に到達できれば、多くの喜びを共有できますし、途中で仲間を失っても、失うまでの人生と、失った後の関係というものを引きずりながら、最後までいくことができるので、仲間を失った哀しみさえも共有できるわけです。つまり、1人で遊んだのに、あたかもたくさんの仲間と共同作業で達成したかのような、とても充実した気持を味わうことができるんです。しかも、さっき前田さんが言ったように、自分の好みに応じたキャラクターと一緒に物語を組み立てていくこともできたり、自分のペースで物語を体験できるわけです。ただ、ファンタジー映画を見るのではなくって、映画のような世界の中に、自分が深く介入して、たくさんの仲間と共有しながら、達成感を味わうことができるのが、『FE』のいいところではないかなと思っています。
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