Wiiリモコンで片手プレイも可能
─ Wiiで出すとなると、Wiiらしい操作性も求められたと思うんですが。
山上 そのへんは最初から割り切っていました。Wiiで出るものがすべてリモコンを振り回すゲームである必要はないわけです。いろんなタイプのゲームがあっていいはずで、Wiiにも従来のゲームを好むお客さんがいるはずですし、『FE』を遊んできたお客さんは、リモコンを振り回して遊びたいとは思わないはずだから、クラシックコントローラで遊べるようにすればいいのではないかという判断をしたわけですね。ただ、クラシックコントローラを同梱で販売するのは簡単なことではありませんから、リモコンでも遊べるようにしようということは、開発当初から決めていました。
─ ちなみにオススメのコントローラは何ですか?
山上 ゲームキューブのコントローラかクラシックコントローラですね。ゲームキューブのコントローラをつなぐと前作と同じような感覚で遊んでいただくことができますし、クラシックコントローラだと、コマンドが選びやすいような設計になっています。でも、わたしたちとしては、お客様に余計なお金を使っていただくのは本意ではありませんので、横持ちにしたリモコンで快適に遊べるようにしっかり設計しています。
成広 あくまで副産物の話なんですけど、Wiiのリモコンだと、片手持ちでプレイできるんです(笑)。
山上 おかしを食べながらプレイできるんです。やっぱり時間をかけて遊ぶゲームですから、くつろぎながらやるのが理想的ですよね。
 デバッグチームも終盤には、リモコンの片手派が多くなってましたね。空いてるほうの手でメモをとりながらプレイできちゃうんです。
─ いいこと聞きました。攻略本チームに伝えておきます(笑)。
山上 その意味でも、WiiではWiiならではの操作ができるようになったのはよかったと思っています。
3種類のコントローラ
↑3種類のコントローラで遊べる『暁の女神』
4部構成になってテンポよく遊べるように
─ 今作の開発スタッフは何人くらいだったのですか?
山上 ムービー関係も入れちゃうとすごいですよ。
成広 それを入れると200人とか、そんな数になるでしょうね。スタッフロールには全員は入っていないんですけど、大まかに言って、ゲームが100人、ムービーが100人という感じでしょうね。
─ 前作の『蒼炎の軌跡』のときは、全部で110人くらいという話でしたよね。
成広 とにかく、作る素材の量が半端じゃなかったんです。
─ その意味でも大作ですよね。
山上 もちろん大作ではあるんですけど、敷居はそんなに高くないんです。
成広 もともと3部作にしてもいいくらいのお話をベースに作っているんです。でも、単に量が多いだけのものにはしたくなかったんです。壮大な世界観を、どれだけコンパクトにして、遊びやすいものにするかというのを大きな課題にして作ったわけです。大陸の中で繰り広げられる壮大なドラマを、なるべく深く読み取ってほしいという反面、あまりに大きく作りすぎるとわかりにくい面も出てきますので、そのへんのバランスをとるのが大変でしたね。
─ 今作のプレイ時間はどれくらいなんですか?
成広 例えば「パーフェクトプレイ」を目指すとなると、どの作品でも結構時間がかかっちゃいますけど、ある程度の「死」を受け入れながらやると、『蒼炎』よりは早く終わるかもしれませんね。3D化したことでマップが広く感じちゃうんですけど、昔のマップに落としてみると、そんなに広くなかったりするんです。その意味でも、一度クリアしてももう一度挑戦したくなるような作品になってると思います。
山上 今回はものすごくたくさんのマップがあって、「これってオレにできるかなあ」とお思いになる方もいらっしゃると思うんですけど、それを避けるためもあり、今作は4部構成にしています。それぞれにちゃんとラストがあって、いちばん最後にすべての話がつながるような構成になってるんですね。なので、1部が終わったら一息入れられますし、それを終えるまでには十数時間で行けるわけですから、途中でワケがわからなくなることもありません。大作感はすごくあるんですけど、実際にやってみるとテンポよく遊べるようになってるんです。だから、「ボリュームがすごくありそうだし、どうしよう」と思っている方々にも、「ぜひやってみて!」と堂々と言うことができます。ライトなゲームのお好みの方でも、お話が長く続くゲームでありながらも、軽い気持で遊んでいただけます。しかも難易度も「ノーマル」と「ハード」に分かれていて、ノーマルでやれば、多少のミスをしても死ににくくなっていますので、どんどん先に進めることができるんですね。だから、初めてシミュレーションRPGを遊ぶ方にも、ぜひ楽しんでいただきたいなあと思っています。
─ 4部構成というのは初めての試みですね。
山上 ええ。でも、シミュレーションRPGのゲームの仕組みをわかっていただこうとすると、どうしても前半はスローペースで進行せざるを得なくなるんです。でも、話が進むにつれてどんどん盛り上がっていく感じで、3部まで来たら時間がたつのが早い早い(笑)。もう吸い込まれるようにプレイするところがあって、お話の先をどんどん知りたくなるような、とてもいい構成になってると思います。制作サイドが言うのも変かもしれませんが(笑)。
『蒼炎』のCM
↑仲間を1人も死なせず、アイテムなども取り漏らさず、ラストを迎えるのがパーフェクトプレイ(写真は前作のCMのコピー)
たくさんの会話が楽しめるハードモード
─ ノーマルとハードではシナリオが違ったりするんですか?
前田 違うわけではありません。長くて深いシナリオにすると、『FE』の熱心なファンの方には喜んでいただけると思うんですけど、ライトなユーザーの方にとっては、入りづらいようなところもあると伺っています。逆に短くライトなシナリオにしてしまうと、熱心なファンにとっては物足りない感じになりますよね。そこで、今作では、ノーマルの会話はやや短めに、ハードはやや長めに調整したというわけなんです。
 誤解のないように言っておきますと、ノーマルのほうが、マップが少ないということではありません。
山上 マップも登場人物もお話も全部同じです。
 ただ、当然ですけどマップに出てくる敵の数は変わってきます。やっぱり難易度が違うわけですからね。ゲームの合間に、会話画面が出てきますよね。例えばハードでは100くらいの会話があるとすれば、ノーマルでは50〜60くらいにコンパクトにまとめているということなんです。
山上 シナリオの進行に関する会話以外の、例えば個人的な会話は、ファンの方にとっては、「この2人はこんな関係だったんだ」ということがわかって楽しいところもあると思うんですけど、初めてプレイする人にとっては、そのような関係を知らなくても、ゲームの進行にはまったく影響がないわけです。つまり、個人的な人物描写に関する話を省略することによって、『FE』を初めて遊ぶ人にとって、本編の話の流れに集中して楽しんでほしいと思ってるわけですね。前作を遊んだライトなユーザーさんから、「話が難解すぎでは」という感想も寄せられていましたので、これまでになかった新しい仕組みを考えて、これがベストだということで採用したわけです。それぞれに合ったモードを選んでいただければと思っています。もしノーマルを遊んでみて、シミュレーションとしてはちょっと物足りないなあと思った方は、後からハードを楽しんでいただくといいでしょうね。シナリオは同じですから会話部分は飛ばしてもかまわないわけですね。
仲間が死んでも先に進めてほしい
─ 前作の『蒼炎』のインタビューでは、ノーマル=イージー、ハード=ノーマルのような話がありましたよね。でも、今作を実際にプレイした印象では、ノーマルはノーマルなりに結構歯応えがあると感じたんですが…。
成広 今作でもノーマルはやっぱりイージーでしょうね。
山上 イズさん的にはそうでしょ?(笑)
一同 (笑)
山上 ライトユーザーの立場で言うと、ノーマルはやっぱりノーマルだと思ってます。僕がノーマルでやっても、いつも何人かは死んでしまいます(笑)。だけどお話が面白いから、いくら仲間を失ってもどんどん先に進みたくなるんです。もちろん主人公が死んじゃったら、ゲームオーバーになっちゃいますけど、主人公さえやられなければ、どんどん先に進めてもいいわけです。もちろん仲間を全員生かしながら最後までプレイするというのもひとつの遊び方ですが、ノーマルの場合は、軽い気持で、先へ先へという遊び方ができますので、別に1人やられてもプレイには支障がないわけです。でも、初めて遊んだ人が、仲間の1人を失って、「うわ〜、死んじゃったよ。これって難しい」と感じてしまうのはよくないと思ってるんですね。『FE』は1人の仲間が死んだからといって、必ずやりなおさなければいけないゲームではないですし、その意味でもノーマルは比較的易しくプレイできると思っています。ただ、仲間がどんどん死んでしまったら最後のほうでは苦労することになりますから、1人死んでしまったら、残っている仲間を強くしてあげるとか、そんな駆け引きを楽しんでほしいですよね。
─ ノーマルとハードのほかに、マニアックというモードがありますよね。
成広 それはハードをクリアされた方のお楽しみということで(笑)。
山上 あれは相当しんどいですよ(笑)。
会話イベント
↑各章の開始前、戦闘中、クリア後と、さまざまな場面で会話イベントが展開。多彩なキャラたちが物語を織り成す

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