DSにハマっていた堀井さんと日野さん
─ それでは『DQIX』の質問です。この話を聞かないと東京に帰れません(笑)。
日野 (笑) どこまでお答えできるかわかりませんが…。
─ PS2版で初めて『DQ』の開発にかかわって、次の『DQ IX』もレベルファイブで作ることはすんなり決まったんですか?
日野 そうですね。『DQ VIII』の後もレベルファイブでやるということは、早い段階で決まっていました。うちで作ってるということは発表できませんでしたけど、『DQ VIII』が終わった後、すぐに『DQ IX』の制作がスタートしました。でも、そこに至るまではいろんな紆余曲折があって…。
─ どのような紆余曲折が…?
日野 それは堀井(雄二)さんに聞いてください。
一同 (笑)
─ 『DQ IX』は、任天堂ハードでは12年ぶりになるんですよね。しかも、携帯機のDSというのがすごく意外で…。
日野 DSはやっぱりいちばん売れてるハードですからね。それに、『DQIX』の方向性を検討していたときに、僕も堀井さんもDSのソフトにどっぷりハマっていて、2人で「DSはいいよね〜」って言い合ってたんです。
─ ちなみに、堀井さんは何で遊んでいたんですか?
日野 そのときは『どうぶつの森』で遊んでいたと思いますけど、とにかくいろんなソフトをやってましたね。
─ 初の携帯機ということで、作り方が変わったりするんですか?
日野 僕らレベルファイブにとっても初めての携帯機になるわけです。でも、そこで何が変わったりするというよりも、とても作りやすいなあと思いましたね。あるものが出来上がってきて、「こういうふうに作り直して」って指示を出すと、他のハードであれば1週間待ちになることはザラなんです。でも、DSだと翌日には作り直した状態のものを見ることができるんですね。結果がすぐに見られますので、ディレクションする側にとっても、すごく作りやすいんです。こんなに早ければ、チューニングするのもすごく楽だなあと思いましたね。
─ だから、最後の最後まで納得のいく調整もできるというわけですね。
日野 やりやすいのをいいことに、僕は土日に開発ロムを家に持って帰ってプレイして、20ページにわたる修正点を開発チームに送りつけたりしてますから。だから、スタッフからは「月曜日が怖い」って言われてます(笑)。
堀井雄二さん
↑『DQ IX』の発表会のときの堀井さん。今年53歳になる堀井さんは、任天堂の宮本さんより2つ年下なのだ
新しい『DQ』を作ろうという意気込みで開発
─ 『DQ IX』はネットプレイにも注目ですよね。
日野 やっぱり新しいことに挑戦することはとても大事ですよね。堀井さんは「新しい『DQ』を作ろう」という意気込みですし、僕らもその気持に賛同しながら作っています。ただ、僕らがどんなに新しいことをやろうとしても、堀井さんがそれを認めてくれなければダメなんですけど、今回はすべての開発スタッフが新しい『DQ IX』にしようということで頑張ってますね。
─ Wi-Fiを使うことでも、いろんなことができそうですしね。『レイトン教授』の新しい謎を配信するようなことも、『DQ IX』ではできたりするんですか?
日野 そういったことに関しては、いろんな実験をしてましたけど、どこまで実現できるかは、現段階では何とも言えません。むしろ堀井さんに直接取材をしてもらったほうがいいかも(笑)。堀井さんの中に「DSの機能を使ってこうしたいんだ」というアイデアがありますし、これから僕らと合宿をしていく中で決まる部分も多かったりするんですよね。現段階でお話できるのは、オンラインを使ってみんなで遊べる『DQ IX』にしようということで、ちょっと隠し要素もありそうだというところだけですね。
─ 4人で同時にプレイできるというのは、逆に言うと4人集まらないと楽しめないんじゃないかと心配する人もいると思うんですが…。
日野 発表会では、4人で遊べる部分を見せたかったので、逆に4人同時プレイばかりが目立ってしまいましたけど、まずは1人で普通に遊べる『DQ』であることは間違いないということは強調しておきたいですね。
─ まず、1人プレイが十分に楽しめるように作っているということですね。
日野 1人プレイの部分がしっかり作られている上に、ネットを使って楽しめる部分もあるということですね。
─ もちろん、DSならではの遊び方も楽しめるわけですね。
日野 今の時点では秘密(笑)。
─ むむむ。それでは答えやすい質問を(笑)。今回はサブタイトルがとても短くなりましたね。
日野 『星空の守り人』というサブタイトルは、もちろん堀井さんが決めたんですけど、最初聞いたときはちょっとビックリしました。
─ 前作の『空と海と大地と呪われし姫君』と比べると、2分の1以下ですよ。
日野 いや、普通に戻っただけじゃないかと(笑)。
─ このサブタイトルから見えてくる物語は…?
日野 それは僕の口からは言えません(笑)。すみません。シナリオに関しての話はやっぱり堀井さんですね。
─ もちろん日野さんもシナリオは読まれてるんでしょ?
日野 ま、その、そういうことになりますね(笑)。
─ だって、今年発売ですからね。それにしても開発が早いですよね。
日野 とは言っても、前作から3年もたってますからね。これまでのペースより1年くらい短縮できたかなとは思いますけど。
やりがいのある『DQ』の開発
─ 最後に、読者のみんなにメッセージをお願いします。
日野 僕らは『DQ VIII』から作っていますけど、シリーズもやっと『IX』の段階にきたわけですね。長い間変わらなかった『DQ』が、徐々に新しい時代に合った『DQ』に変わりつつあると思うんです。僕らもしっかりとその変化の部分を注意しながら、『DQ』という大作の開発にかかわっていきたいと考えているんですが、新しいカタチの『DQ』を皆さんには温かい目で見守っていただきたいなあと思っています。ほぼ4年に1度出るものですし、これまでと同じシステムでいいかと言われれば、僕はそれは違うと思うんですね。やっぱり、今回のネットワークもそうですけど、時代に合った変化は多少なりは必要だと思っています。もちろん『DQ』は昔のままであってほしいという人たちもたくさんいると思うんですけど、新しいものもいいなと感じてほしいと思っています。まあ、最終的にどうなるかわかりませんけどね(笑)。
─ これほど世間に注目される『DQ』を作るのは、やはりプレッシャーも大きかったりするんでしょう?
日野 スケジュールというプレッシャーはありますけど(笑)。でも、大作を作るというプレッシャーというより、やりがいのほうが大きいですね。僕らとしては、楽しいものを一生懸命作るだけですね。
─ レベルファイブにとっては、『DQ IX』のほかにもPS3のソフトもあって、さらに『レイトン教授』も出して…。ところで『レイトン教授』のPART2はいつ頃出す予定なんですか?
日野 まだ正式には発表してませんけど、年内には2作目を出そうと思っています。
─ 今年はレベルファイブにとって、すごい年になりそうですね。
日野 最善を尽くします(笑)。


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