城下町の住人の中にはリアルチンクルも!
─  城下町がすごくにぎやかでいいですよね。何人くらい住んでるんですか?
青沼 昼と夜、いつ城下町に入るかによって人の数も変わってきます。でも実は制作の後半、Wiiの操作をまとめるのに時間を取られて、城の中の遊びに関与できなかったんです。なので、スタッフに「いろんな生活をしてる人たちが、いろんなことをやってるということが伝わるように、しっかり作ってね」とお願いして(苦笑)。今回は『ムジュラの仮面』の「3日間のシステム」(注10)のように、厳密にどんなスケジュールで何かが起こるといったところまでは入れてませんけど、いろんなことをすると変化が起こるようなことはあるんですね。例えばオオカミになって城下町に入ると…。
─ あれ、楽しいですよね。スタアになると、住民の反応も変わってきますしね(笑)。
青沼 いろんなことが入っているので、そこは楽しんでいただきたいですね。
─ 住民も魅力的ですよね。中でもテルマがすごくいいです!
青沼 (うれしそうに)でしょう! 現実にこんなお店があったら行きたいなあと思える酒場のママさんなんですね。
─ とても頼りになる性格で…。
青沼 姉御の感じがいいでしょ?(笑)
─ ええ(笑)。で、彼女の対極に位置するのが、アゲハちゃん。彼女のセリフもいいですよね。『ゼルダ』に、あのような萌え系のキャラクターが出てくるというのもすごく新鮮ですし。
青沼 やっぱり若い世代の新しい人たちが開発に加わったからこそ、生まれてくるキャラクターですよね。僕はあのようなキャラはまったく想像つきませんし、やろうとも決して思わないんですけどね。でも、城下町では、こんな人が住んでたら面白いということをどんどん反映させていったわけです。アゲハちんもその1人で、かなり毒気のあるキャラクターになってますし、やっぱり『ゼルダ』にはそんな毒気のあるキャラって大事ですよね。あと、リアルチンクルもあの城下町に住んでるんですけど、気が付きましたか?
─ えーっ! 本当ですか?
青沼 (ちょっとイジワルな表情で)いるじゃないですか、城下町に(笑)。
─ …もしかして、あのスタアマン?
青沼 そうそう(笑)。チンクルはほかのソフトでも活躍(注11)してることもあって、チンクルとは名乗っていないんですけど…。でも、あのスタアマンは「チンクルをリアルにしたらどうなるんだろう?」ってことで、開発当初に中野(祐輔さん=メインキャラクターデザイナー)がラフで描きおこしたものがベースになってるんです。
─ チンクルを想像できないほどカッコイイですよね。
青沼 「すごくカッコイイ男が緑の服を着ていたらどうなの?」という感じで生まれたのがあのキャラなんです。前作から引用しつつ、変化をいろいろさせてるわけですね。
─ ところで、昨年のE3で発表された画像の中に、森の巨人のようなものがいましたけど、あれはいなくなったんですか?
青沼 出てきますよ。マスターソードを手に入れるときに。
─ …ああ、あの門番みたいな…。
青沼 そう、それです!
─ ずいぶん変わっちゃいましたね。
青沼 硬くなりました。
─ でも、あそこのパズル、イヤらしいですね〜(笑)。
青沼 イヤらしいだって(笑)。
─ あのパズルの解き方を教示いただけますか?
青沼 あそこは頑張るしかないです。
─ コツってないんですか?
青沼 何度かやってると解けます。あそこは不思議なんですよ。「これは難しい」と思って身構えてやると、迷宮にハマってしまうんですけど、ちょっとトイレに行ってやり直したりすると、簡単に解けちゃったりするんです。
─ ああ、それはあるかも。
青沼 あんまり考えすぎると、どつぼにハマるんですね。だから、あのパズルはアタマの中を真っ白にしてやってもらうといいかなと思ってます。最短で解く方法(注12)はもちろんあるんですけどね。ただ、苦労したからこそいい部分もあるわけで。
─ いや、解けたときは達成感というより、何とか終わったという気持だったんですけど…。
青沼 マスターソードを手に入れようとしているわけですから、それくらい苦労しないと(笑)。
注10:「3日間のシステム」
リンクが住人に干渉することにより、時間の流れとともに住人の行動や発言が変わるようになっていた。
テルマ
↑テルマ。頼りになる酒場のおかみさん
アゲハ
↑『ゼルダ』シリーズ初の萌え系キャラ(?)のアゲハ
リアルチンクル?
↑彼がリアルチンクル。かっこよすぎだけど、衣装はチンクルっぽい(笑)
注11:ほかのソフトでも活躍
もちろん『もぎたてチンクルのばら色ルッピーランド』のことです→公式サイトはこちら
門番の原型
↑かつてのマスターソードの門番の姿。1年でずいぶん変わっちゃうんですね
注12:最短で解く方法
パズルを解いてマスターソードを簡単に手に入れたい人は、2007年1月末発売の攻略本をチェックしてね! 
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サブタイトルが決まった経緯
─ 「ゼルダの伝統」というものがあると思うんです。例えばサブタイトルが「ほにゃららのほにゃらら」だったのが、今回は『トワイライトプリンセス』になりましたよね。これまでにないものを採用するというのは、大きな判断があったんでしょうか?
青沼 実は先日、開発の流れを整理しようと思って、宮本とのメールのやり取りなどをチェックしたんです。僕が宮本に、「アメリカでは『トワイライトプリンセス』といサブタイトルに決まったけど、それを日本語訳にしてしまうと、ちょっとまぬけな名前になってしまいます。そこで、日本でも『トワイライトプリンセス』というサブタイトルで行くのはどうでしょうか?」というメールを送ったら、「いいと思うよ」。それで終わり(笑)。
一同 (笑)
青沼 それに対して、「ちょっとなげやりな感じがするんですけど」という返事を書いたら、「ははは。そんなことはないよ」というメールが戻ってきました(笑)。「音の響きも悪くないし」って。
─ 確かにいい感じですよね。
青沼 だから「なんとかのなんとか」だとか、「左利きとか右利き」だとか、開発側はそんなに過去にとらわれないようにしています。そんなことを言うと、ファンの方々に「エーッ!」って言われちゃうのかもしれないですけど…。
─ Wii版では右利きになったわけですが、特にリンクの左利きはある種のトレードマークのようなものでしたよね。でも、実際にプレイすると左も右も関係ないんですよね。
青沼 関係ないというか、プレイして最良の方法を採用するようにしているんです。右とか左にこだわって、それで面白くなければ、いいことはないわけですから。
─ ホントにそうですね。それでは最後に、今も冒険を楽しんでいる人たちにメッセージを。
青沼 今回はハートのかけらが5分の1になってますよね。それで「エーッ」という人もいましたけど、全部を集めるのは結構大変だと思います。でも、シリーズでは恒例ですけど、今回もラスボスを倒した後も、1つ前のセーブデータから再開できるようになっています。その状態で、再び世界中を歩き回って、残っているイベントをやっていただきたいと思っています。そうすることで、新しい発見があると思いますし、見逃しているところに、ものすごいイベントが眠っているということもあると思います。クリア後も、何度もチャレンジしていただきたいですね。
─ ところでDS版の『ゼルダ』はどんな感じなんですか?
青沼 DS版もすごくいい感じに仕上がってきています。DS版の開発をしているのは、10人足らずのちっちゃなチームなんです。僕らが「Wii版の『ゼルダ』はこーだ、あーだ」ってぎゃーぎゃー騒ぎながら作っている隣で、静〜かに彼らは作り続けていたわけです。『トワイライトプリンセス』も完成し、「DS版はどうなってるのかな?」って感じで、先日遊んでみたんですけど、いいんですよ、これが。静かに燃える集団が作った感じがすごく反映されていて、タッチで遊ぶところもすごく練り込まれていて。さらに、Wii版のデモムービーを作っていたチームが、最近DSチームに合流したんですが、『風のタクト』とも違う、Wiiとも違う、とても不思議なデモになってるんですね。さらに、舟をタッチペンで操作したり、メモを残せたりするわけなんですけど、「こんなことができる世の中になったんだ」って、作っていてもビックリするような感じなんです。これまでの『ゼルダ』で、こんなことができたらうれしいのに、という部分がたくさん凝縮されて詰まっています。だから、『トワイライトプリンセス』の後は、DS版も楽しんでいただきたいなと思っています。
─ ずばり発売日は?
青沼 (のけぞりながら)おっと!(笑) ハッキリとは申し上げられませんが、2007年の早い時期にお届けしたいなあと思っています。

〜END〜
DS版『ゼルダ』
↑航路をタッチペンで操作できるDS版『ゼルダ』。新しい謎解きが楽しめそう

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