宮本茂 時雨殿で10年を語る。

あのソフトはどうなった?

N64マリオ64-2…
宮本 『マリオ64-2』ですか…。
─ 64DDでつくられていたんですよね? 「ルイージも動いているよ」ってインタビュー(1997年9月号)でおっしゃってましたが。
宮本 (深く考えて)…ごめんなさい。忘れました(笑)。でも、何かのソフトになってると思います。
─ システム的なものが、ほかのソフトのどこかに生かされているということですね。
宮本 もともと『マリオ64』をつくっているときから、マリオとルイージは一緒に動いていたんですよ。でも、ゲームとしてまとめきれなかったんです。
『スーパーマリオ64』
↑ルイージが一緒に冒険できなくても『スーパーマリオ64』は名作!

64DDキャベツ…
宮本 消えましたね。
─ (残念そうに)消えましたか…。
宮本 でも、『キャベツ』をやってたころに出たいろいろな話や、ああいったスタンスのものづくりは、当然DSソフトの『nintendogs』など、今につながっていますよね。
─ インタビュー(2000年2月号)では、「2000年中に何とかしたい」っておっしゃってました。
宮本 6年前はまだやってましたか(笑)。でも、糸井(重里)さんや石原(恒和)さんたちが、みんな忙しくなってしまってねぇ…。
キャベツ
↑本誌の糸井さんインタビューで、初めて明らかになった『キャベツ』は、順調に開発が進めば1998年に出る予定でした

GCマリオ128…
宮本 ずっと実験は続いていて、Wiiの『マリオギャラクシー』の中に何割か入っていきましたけども。
─ ええっ、そうなんですか? それはどんな形で?
宮本 それは言えない(笑)。
─ 宇宙空間に巨大なフライパンが出てきたりして?(笑)
宮本 (笑)。『マリオ128』っていうのは、マリオのテストコンセプトなわけですから、例えば『マリオギャラクシー』の球面地形を走るっていうのは『マリオ128』からきています。
マリオ128
↑ゲームキューブのデモソフトとして公開された『マリオ128』
─ ようするに重力があるっていうことですよね。
宮本 そうですね。だから、結構大きな要素を使ったんです。『マリオギャラクシー』は快適に走り回れるというのがテーマで、いろいろな実験をしていたんです。快適に走るマリオとWiiリモコンの相性も気持がいいですよ。
─ E3で遊ばせてもらいましたが、3Dがダメな人も酔わないですよね。
宮本 うん。あれは小泉(歓晃)ディレクターが長年積み上げてきたノウハウの成果で、“酔わないカメラ”って言うんですよ。
─ 酔わないカメラって呼んでるんですか。すばらしいですね!
宮本 誰にもできる3Dアクションを目指してるんですね。
─ (同席していた編集部カズヤを見て)カズヤが3Dのゲームが全然ダメで、すぐ酔っちゃうんです。でも、E3で「僕にもできたー」って喜んでたんですよね(笑)。
宮本 それはうれしいですね。本当に、初めての人が触っても快適な3Dゲームにしたいなと思っていますから。
マリオギャラクシー
↑3Dアクションなのに酔わない『マリオギャラクシー』に期待!

N64マリオネット…
宮本 『マリオネット』はWiiとかに向いてるかもしれませんね。
─ 私もそう思いました。
宮本 けどね、ああいうソフトは難しくてね。パッと見は面白いんだけど、「で、その後はどうするの?」みたいな。ちょっと触っただけで面白いという感じで終わってくれるというマーケットができていればいいんですけど、「その後、どうするの?」ってなったとき、まずストーリーをしっかりつくって、というふうに、重厚長大の極みになってしまうんです。
─ 『マリオネット』って、文字通り、Wiiのリモコンで人形劇のマリオネットを操るような遊びが考えられますよね。でも、もう一方で、「マリオ」と「ネット」を融合したようなコネクティビティ的なゲームもイメージできて、すばらしいネーミングだと思うんですが。
宮本 そうですね。けど、今はもうやってないんです。ああいうモノをいつかどっかのタイミングでやりたいっていう、話の素材としては残ってますけどね。『マリオネット』の企画が上がったころは、N64のコントローラを面白く使おうとしていたんです。でも、今はWiiのリモコンを使えば、もっと自然にそういう面白いモノがどんどん生まれそうです。
マリオネット
↑海外のサイトでは『マリオネット』のイメージ画像?も出ていたのだ

GCステージデビュー…
宮本 ある部分は先ほどお話したWiiの「こけし」(似顔絵人形)になっていきましたね(前号で紹介)。
─ E3にデモ出展されていた『AirPlane』では、さりげなくがけっぷちに家族のこけしが立ってたりしましたよね。探索すると「お父さんが山の 上で踊ってたよ!」みたいな感じで(笑)、ソフトによってはいろいろな仕掛けが考えられそうですよね。
宮本 思い立ったらああいうモノを簡単につくって、それをお客さんが見て喜ぶって関係はいいですよね。
─ 作り手も遊び手も気楽に楽しめるということですね。
宮本 でも、現在だと、例えば少女がほほえむっていうことだけを1週間かけてつくっても「俺はあのほほえみは好きじゃないな」とか言われちゃったりしちゃうんですよ(笑)。だから、そういうクリエイティブな部分でのお客さんとの関係って、バランス面でもう成り立っていないんとちゃうかなって思ってたんですね。それだったら、ああいった「こけし」などを使って、どんどん手軽にやっていこうかなと思っているところなんです。
ステージデビュー
↑岩田社長や宮本さんらが登場していた『ステージデビュー』


コンセプトムービー
↑『ZELDA』をプレイするコンセプト映像。本誌8月号の付録DVDでチェックしてね

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